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とうとう結末。どーなるコトかと毎週やきもき。
2~3年前原作を読む。オバサンゆえ内容はあまり憶えてない。ごめん。ただラストは鮮烈。忘れようがない。
以前の記事でラストは賛否両論と書いた。ドラマとして読むと秀逸なラストだが、ミステリーとしては最悪だと。
ドラマも終わったのでネタバレ全開で書いていきます。ご容赦ください。
仮面同窓会とは?
雫井脩介先生の傑作小説。実は大ファン。いや大ファンという言い方はマズイ。最近読書量が極端に減ってて、そんなに読んでない。でも大好き。
読んだのは「仮面同窓会」、「犯罪小説家」、「途中の一歩」。テレビドラマで見たのは「火の粉」。
犯人は比較的わかりやすい。犯人当てというよりスリルとサスペンスに満ちたドラマ。ただ気をつけて~。「途中の一歩」は恋愛小説。途中まで「いつ殺人が起こるんだろ?」と待ちわびてたよ~。
2019年夏、東海テレビがドラマ化。舞台は愛知県。フジ系で放送。
洋輔に物申す
主人公は新谷洋輔。うだつの上がらない営業マン。初回の洋輔はミョーにオドオドした魅力薄の男性。情けないにも程があるような感じ。
それがナゼか回が進むにつれ、「友達だから」と友達を助けるジャンプの主人公みたいなキャラに変貌。
ず~っと悩んでましたよね。お兄ちゃんの死は自分に責任があると。それなのにヤマトが突き落としたとわかると被害者の遺族感情むき出しって・・・。
原作との変更点はもうひとりのお兄ちゃんの存在。原作では洋輔ひとりの時に別人の会話が出てくる。読者には「二重人格か?」と誤解させる手法。実は押入れにお兄ちゃんが住んでいた。お兄ちゃんとのリアル会話だったのだ。
原作では樫村先生のお葬式に行ったのはお兄ちゃん。芳名帳から警察が取調べをするので絶対必要。ドラマではミサトが洋輔の名前を書いた。受付の人の前で男性の名前って書けるもん?代理ならできるかな?
もうひとつ原作との違いは洋輔の家の洗面所の血。ドラマでは洋輔を混乱させるためミサトがやった。原作では確か、カズを殺したのはミサト。血だらけの手を洗うため洋輔の家に来て、真実を話すんじゃなかったかな。多分。
ドラマの洋輔は二重人格のようだ。「洋輔の別人格が犯人?」とミスリードさせるのが狙いだと思うケド・・・原作で犯人を知ってるからか、中途半端。茶番にしか見えなかったな。原作を読んでない人で「洋輔が犯人か?」って思った人いるんだろうか?
結局、二重人格なのか記憶がなくなるというハナシは、1回医者にかかっただけ。放ったらかしでオワル。
病気治せよ。プロポーズしてる場合じゃないだろ。
ヤマトに物申す
ヤマトは洋輔の長年の幼馴染。高校も一緒。原作では希一とカズは不良というかいい印象がなかった。雫井先生のキャラクター造形がリアルだからだろう。
ヤマトはよくわからないキャラという印象。よく憶えてないが。最終回ではショーゲキの秘密が明かされる。全然いい人じゃなかった~。小学生の時の態度は希一寄り。
オバサンの記憶力はヤバイ。2~3年前の原作どころか、先週のドラマ、いや昨日の最終回さえ怪しい。
洋輔の兄の事件はどーやって盗聴したのだ?盗聴器は洋輔のスマホカバーだけじゃなかったのか?私が見落としたのかな?
最終回、実は仮面同窓会は犯人にそそのかされたのが始まりというショーゲキの事実発覚。怪しすぎるだろッ。アトの2人はともかく、ヤマトよ、お前もか。気づけッ。
希一に物申す
ワル。不動産屋の2代目っぽい。ただしカワイイとこがある。美人の年上女教師とも本気っぽい。お金を取られてもなおやり直そうとする。
カズの面倒を見る。義理人情に厚そうなトコもある。そして周りの人間にとってはメーワクな無邪気さを持つ。
ヤマトの美人の彼女を「くれ」。こんなアッケラカンと言う人いない。面食いだというコトはよくわかった。
樫村先生に物申す
なんで白状した?被害者は自殺してますやん。
不可解なのは相談ノート?レイプされたコトを学校に相談するというのもありえないが、相談されちゃった以上・・・コレは事件です。しかも学校内で。何やっとるんじゃ~。ありえん。
洋輔達が「よいしょー」をやらされた理由はカンニング以外はハッキリしてない。だが、カンニングって・・・学校での事件としてはかなりワルの部類でしょ。
よく知らんが、停学とか処分されてもおかしくないと思う。ソレが経歴にキズがつかず「よいしょー」で済んだんなら感謝すべきでは?
上原先生に物申す
原作にはいない。希一の彼女。先生からしたら希一は金づる。引っかき回すだけ引っかき回して消える。いなくてもよかった感じ。
犯人がナゼ先生を狙ったのかワカラナイ。多分殺した。
まっ昼間、犯人は仮面で襲う。動画を撮られたのがイヤなら、その場で取り返せばいいじゃん?結局動画のデータも見つからず、データは希一に渡る。何がしたいの?殺人が好きなの?
最終回、先生の行方についての言及なし。放ったらかしでオワル。
最終回に物申す
犯人わかってるなんてカンケーない。毎週すっごく楽しみだった~。ただ最終回は少し納得いかない部分も。視聴者や読者ってワガママ。いや私がワガママなだけか。
原作のラストが納得いかないとか言ってたクセにドラマのラストが気に入らないと結局、原作のラストサイコーってなる。
ヒロイン役の女優さんが人気のある方なら結末は変わるだろうなと以前の記事に書きましたが、やはりでした。
ファンの方もいるから徹底的な悪役にはさせづらいですよね。犯人をアシストしながらも最後は洋輔を助ける。好意はあったようです。
犯罪に手を染めたのもジョージに洗脳されたからなんですね。わかります。悪いのは全部ジョージなんですね。
ですが・・・・最後のアレは何なんスカ?
懲役20年を待つ?家を買う?
仕事やめたんでしょ?なんかうわ言みたいな元気のない言い方だったケド、神経やられてないかい?
まるでコナンか金田一一みたいに死人が多すぎる。感覚マヒしてきてないか?
目の前で親友殺されて、「よかった。終わった。」って言う人だよ?ヤマトにしても元カノが父親殺しの妹と知って・・・フツーの人ならショック受けるハズ。まいいや。個人的にはココまでの無理矢理ハッピーエンド(?)はいらないと思う。
最後はミサトがジョージを突き落とす。今までのコトはジョージが一人でやって事故で落っこちた、あるいは自殺と主張するコトもできたケド、ちゃんと正直に罪を償ってるのはヨカッタと思う。
さて、原作のラストでは洋輔と押入れお兄ちゃんはジョージとミサトからヤマトと希一を殺すよう命じられます。できなければオレ(ジョージ)が殺す。そしてお前らも殺すと脅されます。究極のオルタネイティヴ。
苦渋の末、二人は「よいしょー」という掛け声とともにヤマトと希一を突き落とします。おっと苦渋は洋輔だけ。押入れお兄ちゃんは亡きお兄ちゃんの復讐ができるとノリノリ。
原作を読んだ時は「犯人が捕まらないミステリーなんて最悪。」と思ったが・・・ごめんなさい。違った~。
結局「仮面同窓会」はミステリーではないんだと思う。ミステリーなら探偵役が必要。犯人が自首するミステリーもありえない。やはり雫井先生のラストは素晴らしかったと思う。
「よいしょー」の呪縛から解放されるため決行した仮面同窓会。だが、結局は「よいしょー」と殺人を犯すハメに。永遠に「よいしょー」から逃れられないという皮肉な結末となったのだった。