明治スプレッタブルが発売して以降、塗りにくいバターにホトホト困っていた人に新しい選択肢を提案。
コレを機に柔らかいバター、マーガリンなどを見直してみるとするか。脂肪分70%オフの商品からバターの配分のチガウ商品、オリーブオイル入りなどを購入。
2020年3月、発酵バター使用のスプレッタブルが発売。「明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ 発酵バター配合 130g」。
- 明治オフスタイルべに花 140g
- 明治チューブでバター1/3 160g
- 明治チューブでガーリックソフト 90g
- 明治バター50%贅沢ブレンド 140g
- 明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ 130g
- 明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ 発酵バター配合 130g
- ラーマ オリーブ&バターの風味【Jーオイルミルズ】
マーガリンと言えば気になるのがトランス脂肪酸。まずは日本におけるトランス脂肪酸の状況から考えてみますね。
トランス脂肪酸とは?
バター・マーガリンを選択する際、気になるのがトランス脂肪酸。
トランス脂肪酸とは脂肪酸の一種。加工油脂やそれらを使用した加工食品に含まれる。
トランス脂肪酸の生成はザックリ2種類。加工・調理段階で生成されるモノと天然に生成されるモノ。
加工、調理段階で生成
- 植物油等の加工の水素添加の過程で生成。
- 植物油等の精製の脱臭の過程で生成。
- 油を高温で加熱する調理過程で生成。
天然に生成
牛など(反すう動物)の反すう胃内でバクテリアの働きにより生成。乳や肉などに少量含まれる。
トランス脂肪酸には様々な種類がある。国際的にトランス脂肪酸に関する明確な定義や測定法が統一されていないのが現状らしい。
マーガリンに含まれるトランス脂肪酸
マーガリンの原材料には「食用植物油脂」と「食用精製加工油脂」という記載がある。
「食用植物油脂」とはサラダ油の原料でもある大豆、菜種、トウモロコシなど由来の油脂。液状。
液体の油を固形化するために一部に水素を付加(部分水素添加)。こうして製造された油脂を「硬化油」または「部分水素添加油脂」と呼ぶ。
「部分水素添加油脂」にはトランス脂肪酸が多く含まれる。
日本では「部分水素添加油脂」の明確な分類がない。よって一般的には原材料に「食用精製加工油脂」と表示。
トランス脂肪酸の健康への影響とは?
心臓病リスクを高めるといわれている。
長期間の過剰摂取により、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させることが指摘されている。
WHO(世界保健機関)とFAO(食糧農業機関)は食事からのトランス脂肪酸の摂取を一日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満とするように勧告。
日本人の摂取量は少ない。平均摂取量はエネルギー比で0.3%。欧米と違って健康に影響を及ぼすラインを大幅に下回っている。
健康への悪影響を示す多くの研究は、摂取量が多い欧米人が対象。日本人にも同じ影響があるのかどうかは不明。
ちなみに天然のトランス脂肪酸(バターなどに含まれる)はどーなん?
「油脂の加工でできるトランス脂肪酸と天然にあるトランス脂肪酸では健康に及ぼす影響に違いがあるのかどうか十分な証拠がない。」・・・と農林水産省の「すぐにわかるトランス脂肪酸(2018年1月25日更新)」に書いてある。
エーッ?バターも心配せなあかんの?
だが厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」によると
「反すう動物に由来するトランス脂肪酸(大部分はバクセン酸)は、乳製品、肉の中に含まれているが、冠動脈疾患のリスクにはならないことが多くの研究で示されている。」らしい。
諸外国ではトランス脂肪酸の規制の強化が進んでいる。だが天然のトランス脂肪酸は対象外の場合が多い。主な規制の対象はやはり部分水素添加油脂。
部分水素添加油脂不使用のメーカーが多いワケ
現時点でのマーガリン業界を取り巻く状況。
トランス脂肪酸の摂取量の多い欧米では様々な規制や表示の義務化を実施。その度に日本でもマーガリンへのネガティブなイメージが定着。国内市場は縮小。
2018年6月より米食品医薬品局(FDA)は部分水素添加油脂への規制を始める。
たまりかねた日本の大手メーカーが先手を打つ。続々と自主的に部分水素添加油脂の不使用にふみきった。
【明治】は2018年3月より家庭用マーガリン類全品で部分水素添加油脂を取りやめリニューアル。ハートのロゴで大々的にアピール。
【雪印】も2018年3月以降、家庭用マーガリン類とショートニングの全ての商品で部分水素添加油脂の使用を取りやめる。6月からパッケージに「部分水素添加油脂不使用」の文言を記載。
今回特にメーッセージを出していない【j-オイルミルズ】。やはり全面的に部分水素添加油脂不使用。
企業努力によってトランス脂肪酸は著しく低減。ただトランス脂肪酸の摂取源はマーガリンよりも菓子類、パン類、油脂類の方が大きな割合を占めていると言うんだからミミのイタイ話。
トランス脂肪酸の含有量
[table id=5 /]
1食あたりの使用量を10gと推定。コレステロールの検出限界は0.1mg/10g
【明治】のトランス脂肪酸は炭素数14~22のモノトランス脂肪酸,炭素数18のジ及びトリトランス脂肪酸を測定対象としています。 基準油脂分析試験法2.4.4.3-2013(日本油化学会の分析法)、AOAC 996.06(AOACインターナショナルの分析法)、AOCS Ce 1h-05(米国油化学会の分析法)を参考とした方法で測定した参考値です。
【j-オイルミルズ】のトランス脂肪酸は消費者庁公表「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」に記載されている分析方法(AOCS Ce1h-05又はAOAC 996.06)を参考にした方法による参考値です。
トランス脂肪酸の含有量はバター不使用の製品は0.1g、バター使用の製品は0.2g。
10年前の商品と比べて1/10程度に低減。油の高温処理など製造過程で微量に生じる分だけが残っているそうだ。
ちなみに飽和脂肪酸も摂り過ぎると、悪玉コレステロールを増やし、心疾患のリスクを高めると予想されているので気をつける必要があるそうだ。
トランス脂肪酸の情報は下記サイト等を参考。
原材料を比較
[table id=10 /]
原材料は「明治スプレッタブル」が1番シンプル。
栄養成分を比較
【明治】は食パン1枚の標準使用量として10g当りの数値。【Jーオイルミルズ】は100g当りの数値。
[table id=9 /]
突出した違いは「明治オフスタイルべに花 140g」のエネルギーと脂質が低いコト。ただし食塩相当量は「明治オフスタイルべに花 140g」が1番高い。
明治オフスタイルべに花 140g
明治ヘルシーソフト オフスタイルべに花 脂肪分70%オフ 140gの感想
ラーマ オリーブ&バターの風味【Jーオイルミルズ】
明治チューブでバター1/3 160g
明治チューブでガーリックソフト 90g
明治バター50%贅沢ブレンド 140g
明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ 130g
明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ 発酵バター配合
2種類の「明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ」の比較と感想
まとめ
マーガリンを久々に食べてみたものの・・・美味しい!!
やはりマーガリンの持つ塗りやすさとなめらかさは魅力的。
トランス脂肪酸の低減については企業の頑張りに感謝!!
諸外国の規制が強まる中、自主的にこんなに頑張っちゃう日本企業はスゴイなと思う。お陰で選択肢が増えてセレクトの楽しみアップ。
「明治オフスタイルべに花」と「ラーマ オリーブ&バターの風味」はバター不使用。お値段もリーズナブル。ともにヘルシーさがメリット。
- 「明治オフスタイルべに花」・・・カロリー63%オフ、脂肪分70%オフ、オレイン酸50%(脂肪酸中)、10gで1日不足分の食物繊維の1/2がとれる。
- 「ラーマ オリーブ&バターの風味」・・・オリーブオイル30%(原料油脂中)。
バター入りの商品は1/3、50%と数字のままにミルキーさがアップ。「明治スプレッタブル」はクリームチーズの風味もプラス。
- 「明治チューブでバター1/3 160g」・・・爽快な使い勝手。洗い物ゼロ。
- 「明治バター50%贅沢ブレンド」・・・バターの割合を明示してくれてるトコがポイント。
- 「明治スプレッタブル」・・・シンプルな原材料のみの安心感。バターの割合は不明。
バター入りの商品の乳脂肪分などは下記の通り。
[table id=11 /]
明治のマーガリン類(スプレッタブルを除く)はマーガリンっぽい(明治の?)独特の風味がある。
「ラーマ オリーブ&バターの風味」にはマーガリンっぽい風味は感じられない。シンプルでアッサリ。バター不使用だがバターっぽい風味と言える。
気になる人は「明治スプレッタブル」か「ラーマ オリーブ&バターの風味」がオススメ。
個人的には「明治オフスタイルべに花」が気に入っているが、加熱調理に使えないのが少し残念。
それぞれが特長を有しイイトコ満載!!様々な嗜好やライフスタイルに対応できるラインナップを各メーカーが用意してくれている。
何よりもウレシイのは炭水化物または糖質がどのマーガリンも0gか0.1g。躊躇なくガンガン塗っちゃってます~。